投資という視点で見た「家づくり」
こんにちは、ハウジング山一です。
よく「家は一生で最も高額な買い物である」と言われます。理由は、その価格の高さだけでなく、通常のマイホームがそれ自体で収益を生み出さないためです。賃貸用不動産とは異なり、自宅として建てる家は直接的な金銭的リターンがないのです。

例えば、アパートやマンションを購入・建築して賃貸経営をする場合、5000万円の借り入れで年間500万円の収益を得られれば、借入れ金額は10年で回収が可能です。
そして、借り入れ分の返済が終われば収益を生み続けることになりますが、自宅の場合、このような直接的な収益は期待できません。
住宅は、建築直後が最も価値が高く、時間の経過とともに価値は減少していきます。特に人口減少が予想される地方都市では、将来的に土地価格が上昇する可能性も低いため、投資した金額以上で売却できる見込みは非常に低いと言えます。
したがって、家づくりにおいてはこれらの点を考慮した計画が必要なのです。
●家づくりにおける投資的な視点

家づくりでは、適切な予算設定が重要です。
投じた資金を回収できない可能性も考えて、無理のない範囲で計画を立てる必要があります。
また、家の価値の目減りを補うため、並行して資産形成を行うことが推奨されます。長期的な視点で家づくりを考えることで、将来的な経済的安定を図ることができます。
ただし、高性能な住宅への投資は、長期的なメリットをもたらす可能性があります。
例えば、省エネ性能の高い住宅では、光熱費の大幅な削減が期待できるほか、快適な生活環境を実現できます。さらに、安定した室内環境が健康維持に寄与することも期待できます。
他にも高品質な素材や設備を使用することで修繕費が抑えられるため、長期的なコスト削減にもつながります。
●貯金は、増えないどころか減る!?

お金の使い方は「消費」「浪費」「投資」「投機」「貯金」の5つに分類できますが、ほとんどの方が「投資」「投機」に触れないまま過ごされているようです。これは、「投資(投機)=危険」と教えられ、「破産するから」「お金を失うから」といったイメージが強いからではないでしょうか?
その結果、お金を増やすための選択肢は「貯金」だけになってしまいます。
しかし、今の金利を見てみると、貯金による利息ではお金は増えず、むしろ目減りすることに…。
現在の預金金利だと、100万円を預けても年間で約100円しか増えません。それどころか、時間外にお金を引き出す・振り込みをすると数百円の手数料がかかります。
さらに、預金だけに頼っているとインフレによる物価上昇で現金の価値が目減りし、実質的にお金の力がどんどん弱まっていきます。
つまり現在の日本では、お金を増やすためには「貯金」だけでは不十分なため、前向きな考えで「投資」という選択肢を持つことが必要になってきました。
「投資」とは、自分以外の何か(設備やお金)に働いてもらい、収益を生む仕組みをつくることです。その中でも、これから家を建てる方におすすめしたいのが、「つみたてNISA」を活用した長期積立投資です。
●具体的にはどうしたらいいの?

では、「つみたてNISA」に回す資金を無理なく確保するためには、何をすればよいのでしょうか?
家づくりのシーンであれば、「建物にかけるお金」「土地にかけるお金」「外構(庭)にかけるお金」を可能な限り削減することが大切です。そして、貯金の選択肢を銀行の預金だけにせず、「つみたてNISA」にも回してください。
さらに、家を建てるタイミングで保険の見直しを行い、ここで浮いた資金をすべて「つみたてNISA」に回すのも良いアイデアです。
住宅ローンには、万が一の際に借り入れが保険金と相殺される団体信用生命保険が含まれている場合がほとんどなので、必要以上の死亡保障がついた生命保険は不要です。
また、学資保険も掛け金より増える商品はほぼ存在せず、途中解約をすることで解約返戻金が支払額を下回る場合が多いため、リスクが伴います。医療保険に関しても、日本は高額療養費制度が活用できるため、自己負担額を抑えられる点も考慮してみましょう。
毎日の暮らしをより豊かにするマイホームを持つと同時に、お金に困らない生活を実現するためには、今回お話しした知識を活かして家づくりを進めることも検討してみてください。
「貯金」だけに頼らず、「投資」という視点を持ち、適切な資産形成を行うことで、豊かな暮らしに加えて将来の経済的な安定も手に入れることができるはずですよ。