窓・開放感についての間違った当たり前と解決策
こんにちは、ハウジング山一です。
大きな窓から室内に降り注ぐ太陽の光。
明るく爽やかな印象ですが、住みやすいエリアに住宅が密集しがちな日本では、実現するのはなかなか難しい場合があります。
今回は、お家の中に光を取り入れるための「窓」と、暮らしにゆとりを与える「開放感」についてお話しします。
●窓の数が多い=明るい屋内ではありません
「光をたくさん取り入れたいなら、窓をたくさんつくればいいじゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそうではありません。
窓の向こうには隣家が建っていることが多く、隣家がなくても道に面していれば外からの視線が気になってしまいます。
そうなると窓にはカーテンが必要となり、上記の理由から開けることが難しいケースが多くなります。そして、いざ暮らしてみると「思っていたように家の中に光が入ってこない…」となるわけです。
だからこそ、本当に明るい家を建てたいのであれば、単純に方位だけを考えて間取りや部屋の位置、窓を決めるのではなく、その土地の周辺環境も加味しながら決めるのが、最良の手段であると私たちは考えています。
●天井を高くすれば開放感は増す?
「開放感を出すために、天井を高くしたい」という要望をお聞きすることが多いのですが、先述の「窓」と同じように、天井を高くすれば必ず開放感が増すというわけではありません。
全ての窓にカーテンが設置されていて、それが閉まったままの時間が長いのであれば、いくら天井が高くても抜け感がなくなり、逆に閉塞感が出てしまうからです。
また、天井だけを高くしても、ドアや窓に既製品サイズの2m高のもの採用すると、天井とドアや窓との間にできる垂れ壁が通常よりも長くなってしまうことで天井付近に光が届きにくくなり、その結果薄暗さが増してしまうということも。
だからこそ、現実的な開放感を手に入れたいと思われるのであれば、単純に天井を高くするのではなく、天井とドアと窓の高さをそろえることが最良の手段だと私たちは考えます。
●ハイドア・ハイサッシの利点
天井とドアの高さを合わせる場合、「ハイドア」と呼ばれる高さ2m40cmのものを使うことになります。そうすれば垂れ壁がなくなり、天井がずっと続いているように見えます。
また、はき出し窓を天井まで高さがある「ハイサッシ」にして、外からの視線を遮る工夫などでカーテンがいらないようにすれば、圧倒的な開放感が得られると同時に空を眺めることもでき、入ってくる光量にも圧倒的な差が生じます。
その結果、たとえ曇りや雨の日でも照明なしで過ごせるほどの明るさを確保できるだけでなく、ホテルライクな開放感に包まれた暮らしを実現することができるのです。
さらに、ドア枠や窓枠、カーテンレールも不要になるため、掃除も楽になります。
このように「窓が多くて明るい家」「天井が高く開放的な家」を叶えるためには、間取りの工夫やドア・窓の位置や形状を緻密に計画することが大切であるということを、ぜひ覚えておいていただきたいです。