家の「表と裏」を意識する

こんにちは、ハウジング山一です。
家づくりをする時って、つい生活しやすさや見た目を最優先して、屋内の間取りプランや設備などの位置を決めてしまいがちですよね。
もちろん、暮らしやすく家事ラクな動線はとっても大切なのですが、それだけを突き詰めると思わぬ事態になる場合が…。
そこで今日は、家づくりの際に意識してほしい、建物の「表と裏」のことをお話しします。
●窓と換気扇には要注意!

例えば、非日常が感じられる空間づくりにこだわっているホテルの場合、お客さまの目に触れない場所にバックヤードを用意しています。
家も同じように美しさにもこだわるならば「表と裏」を意識し、間取りと外観を並行して考えながら設計する必要があるんです!
洗面脱衣室やトイレ、浴室、キッチンといった水回りスペースは、外観の見た目を乱しやすい要素を備えていることから、「表」に配置すべき空間ではないと私たちは考えます。
その要素は主に2つあり、ひとつは「窓」です。
水回りスペースの窓が外観の見た目を乱す理由は、窓のサイズや高さを統一しにくいことと、窓の数が増えるほど外壁にできる涙のような「垂れジミ」の数が多くなってしまうからです。
もうひとつの要素は「換気扇」。
水回りスペースに共通して設置されるのがこの「換気扇」なのですが、これらは外観から伝わる生活感を大きくアップさせます。同時に、水回りゆえに発生しやすいカビを原因とする黒い汚れを確実に外壁に蓄積させていきます。
加えて、これらのスペースの近くには「エコキュート」や「ガス給湯器」などが置かれることになるため、より「表」の外観を損なうことになってしまうのです…。

さらに「表」には出したくないものがもうひとつ。
それは「エアコンの室外機と配管カバー」です。
なかなかの大きさ・長さになるこれらが「表」にあるお家…かっこよくはないですよね。
●固定概念にとらわれないことが大事

このように、間取りを考える時は、水回りスペースの窓や換気扇はもちろん、給湯器や室外機が「表」に出てこないかということも意識しながら、それぞれの配置を考えていかないといけないというわけです。もちろん、「動線」や「採光」、近隣環境も織り込みつつ、並行して美しい外観づくりを考えることが大切なんです。
しかし、美しい外観の実現を邪魔するのが「固定概念」「思い込み」です。家づくりにおいて特に根強い固定概念のひとつが、「部屋は南向きにするのがベストだ!」という考え方です。
この思い込みによるマイルールを北向きの土地で頑なに守ろうとすると、必然的に「表」になる北側に水回りが配置されます。そして先述のような窓や換気扇などが並ぶことに…。
さらに、南側に建っている家との間に充分な距離が取れないことが多いため、同時に「日当たりが悪いリビング」もセットに。
同様の思い込みで、もし南向きの土地だったとしたら、今度はリビングや子ども部屋などが「表」に配置されます。すると、エアコンの室外機や配管カバーが「表」に登場しやすくなってしまいます。
また、家の前を通る人から丸見えになる部屋を隠すためのカーテンや、防犯対策のシャッターや面格子の設置もしたくなるため、その設備費や工事費が上乗せに…。
●正しい知識を持って臨む家づくりを

だからこそ「家はこうあるべき」という、なんとなくどこかで見聞きしたイメージはひとまずリセットしませんか?
南向きの土地が良い理由は、もちろん光が取り入れやすいからですが、光は「直射光」だけではありません。空気中の塵や水蒸気に反射して拡散する「天空光」という光もあり、安定した採光が可能なのは、実は「天空光」だということを知っていれば、南向きの土地や間取りにこだわる必要はなくなります。
根拠の薄い固定概念に縛られず、ぜひ正しい知識を持って家づくりをしましょう。
分からないこと、疑問に感じたことは、何でも私たちに聞いてください。理由や根拠と合わせてしっかりお答えします!