こんにちは、ハウジング山一です。
マイホームを建てたいと考えている方の多くが、「家づくりにいくらかかるのか」という資金計画に頭を悩ませています。無理のない返済計画でありつつ、頭金なしでも安心して家を建てるには、総予算を賢くコントロールすることがとても大切です。
そのためには、住宅本体にかける費用だけでなく、「土地購入」や「外構工事」に使うお金も見逃すことができません。
今回は「土地費用」をなるべく抑えるための知識や工夫についてお話したいと思います。
●土地代が高くなる理由

土地は、同じエリアや同じ分譲地内であっても、選ぶ土地によって価格差が生じます。それは、主に「日当たり」と「土地の広さ」によるものです。
例えば、人気の高い「南向き」の土地は、明るさや開放感があることから、多くの方が希望される傾向にあります。そのため、坪単価が高めに設定されているにも関わらず、売れ行きが良いのが一般的です。一方、北向きや旗竿地などは需要が少ないため、価格も控えめになる傾向があります。そして、敷地面積が広くなればなるほど、価格は上がります。
土地費用に焦点を当てて家づくりのコストを抑えるポイントは、「人気の理由」に惑わされることなく、ご家族にとって本当に必要な条件を見極め、土地の向きや広さについて柔軟に選択できるかがカギなのです。
●南向きの土地、本当に必要ですか?

南向きの土地=明るくて住み心地の良い家になるというイメージをお持ちの方は、多いと思います。しかし、現実には必ずしもそうとは限りません。
確かに南向きの土地は太陽の光がよく入りますが、実際に暮らしてみると「南側に面した部屋にいると、外からの視線が気になり、結局カーテンは閉めっぱなし…」なんて声も少なくありません。
せっかくたっぷりの採光を考えて南側に大きな窓を設けても、プライバシーの確保や日差しの調整のために、昼間でもカーテンやシャッターを閉めるご家庭が多く、結果的に家の中が薄暗くなってしまうことも。

また、リビングから離れた場所にあるキッチンや洗面所は、北側に配置されることも多いため、夜だけでなく日中でも照明が必要になることがあります。
さらに、南向きの大きな窓は台風時の被害も受けやすいため、飛散物対策のためにもしっかりしたシャッターの設置が必要になります。そして、いざ住み始めてみると、シャッターも防犯の不安からずっと閉めたままというパターンもめずらしくありません。
ほかにも、強い直射日光で室内が暑くなりすぎたり、昼間は日差しのせいでテレビが見えづらくなったりという悩みや、開放的なウッドデッキを設けても、通行人や隣家から丸見えなことから使いづらい…という声もお聞きすることがあります。
●土地価格を抑える「発想の転換」を
家づくりのコストを賢く削減するには、「南向きであること」や「日当たりの良さ」にとらわれすぎないことが大切です。例えば、北向きや東向きの土地を選ぶことで、土地代を大きく下げることができます。
それだけでなく、旗竿地など人気が低い土地は価格交渉にも応じてもらいやすく、本体価格が安く設定される傾向もあります。
また、日当たりや外からの目線について不安があれば、外構工事で対策をしようとする方も多くいらっしゃいますが、目隠しフェンスや植栽などの工事費用は200~300万円と、想像以上に大きな負担になります。逆に、割安な土地を上手に探して選べば、余計な外構費用をかけず、出費を抑えることもできます 。
●間取りの工夫で「明るさ」「快適さ」を手に入れる

とはいえ、「本当に北向きや東向きの土地で快適に暮らせるの?」と心配になるかもしれません。この点については、間取りや窓・室内レイアウトの工夫によって、十分な採光やプライバシーの確保が可能です。
たとえば、玄関の位置の工夫や、中庭(ウッドデッキ)を囲むように部屋を配置する設計であれば、家中どこでも自然光を取り入れられます。
さらに、ダイニングキッチンやリビングの窓の位置・サイズを最適化することで、朝日や夕日を有効的に活かすこともでき、「窓越しの借景」や「吹き抜けのある間取り」といった手法も日当たり向上に役立ちます。
いずれの削減法も、今までの「南向き=明るい」という先入観を取り払い、土地を選ぶ段階から設計者とじっくり相談することが成功の大切なカギです。
家づくりのスタートともいえる土地選び。どうしても「南向き・広め」の土地に目が行きがちですが、視線や防犯、コスト、実際の暮らしやすさという点を意識して、再考してみることには大きな価値があります。
本当に必要な広さや住み方をしっかりイメージし、「条件に縛られる」のではなく「柔軟な発想」で土地を選んでみてはいかがでしょうか。
次回の記事では「わが家が本当に必要な土地の広さ」を具体的に算出する方法について、詳しくお話ししたいと思います。