コラム

家づくりのコスト削減法【②続・土地費用編】

こんにちは、ハウジング山一です。

マイホームを建てたいと考えている方の多くが、「家づくりにいくらかかるのか」という資金計画に頭を悩ませています。無理のない返済計画でありつつ、頭金なしでも安心して家を建てるには、総予算を賢くコントロールすることがとても大切です。

実は土地選びの段階から家づくりのコストを大きく左右してしまうポイントがあります。それが「土地の広さ」です。広ければ安心、余裕がある、と考えがちですが、その分購入価格が上がるだけでなく、外構工事費や固定資産税まで大きく変わってきます。

今回は、前回に引き続き「土地費用」をなるべく抑えるための知識や工夫についてお話したいと思います。

●広い土地は必ずしも必要ではない

日当たりの良さと並んで土地価格を決める大きな要因が「土地の広さ」です。
広い土地を購入すると、その分土地代金そのものが膨らむのはもちろんですが、余った空間を整備する外構工事費用まで跳ね上がります。
例えば芝生やフェンス、駐車場舗装など、建物以外の部分にお金がかかってしまうのです。 さらに、管理や固定資産税といった「維持コスト」も継続的に発生します。つまり、広い土地は一見ゆとりがあって魅力的に見えますが、総合的には家づくりの予算を圧迫する大きな落とし穴となるのです。

●家のプランを先に描くことが重要

無駄な土地を買わないために一番大切なのは「建てたい家のイメージを先に固めること」です。 平屋か、それとも二階建てか 延べ床面積はどれくらいにするのか この二つを明確にしておけば、土地に求められる必要最小限の広さを割り出せます。結果的に「本来必要のない広さの土地」に余分な費用を払わされるリスクを大幅に減らすことができます。

平屋に必要な土地の目安
例えば「32坪ほどの平屋」を建てる場合、建物に加えて駐車スペース2台分と小さな庭を設けたいと考えると、内訳は以下の通りになります。

建物本体 32坪の場合
室外機や給湯器、配管スペース⇒約10坪
駐車場(1台約4.5坪×2台)⇒約9坪
日当たりも考えた庭スペース⇒15〜20坪

これらを合計すると、65〜70坪前後が現実的な目安となります。
つまり、ひとことで「平屋」といっても、庭の有無や駐車台数など、生活スタイル次第で必要な土地の広さは変わってくるのです。

●「中庭のある平屋」という選択肢

一方、同じ平屋でも「中庭」を取り入れると必要な土地の広さはぐっと変わります。中庭があることで、周囲に大きな庭を作らなくても日当たりやプライバシーを確保できるため、土地面積を15〜20坪ほど削減でき、これは土地価格に直結します。
もし20万円/坪の地域で20坪差が出れば400万円のコスト差に、40万円/坪の地域ならば、その差は800万円にもなります。
これだけの差になると、建築費用や設備費用に充てる十分な余裕となり、土地の広さは外構の工事面積にも影響するため、その差はさらに広がるのです。

●60坪以上の土地は本当に必要?

弊社では多くの場合「60坪以上の土地はおすすめしない」とお伝えしています。その理由のひとつが固定資産税です。200㎡(=60坪強)までの土地は課税評価額が6分の1に軽減されますが、200㎡を超えた部分からは軽減率が3分の1となり、税負担が一気に増えてしまいます。
例えば評価額が18万円の地域だと、200㎡以内なら3万円で済むのに、200㎡を超える分には6万円かかるような差が生まれます。固定資産税は一度だけではなく、長期にわたって払う「一生のランニングコスト」であることを考えると、この違いは無視できません。

●2階建てでも発想は同じ

2階建てを検討する場合も、考え方は平屋と同じです。オーソドックスな二階建て住宅なら40〜50坪は必要になりますが、採光計画を工夫すれば10坪近く土地面積を抑えられるケースもあります。土地をすでに広く購入済みなら平屋に活用する、逆に広めの庭を設けるなど柔軟に使い方を考えることもできます。大切なのは「建物の間取りや採光計画と土地の広さを一体で考えること」です。

土地選びは家づくりの大きな第一歩。
けれども「広ければ安心」という考え方は、コスト面では逆効果になることもあります。

重要なのは、建てたい家のイメージを先に固め、その家に必要な最小限の土地を探すことです。平屋か二階建てか、中庭を設けるのかどうかなどによって必要面積は大きく変わります。
加えて外構費用固定資産税も一生に関わるコストです。家族のライフスタイルに合った最適な土地を選び、無駄を省いた賢い家づくりを進めていきましょう。

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