コラム

家づくりのコスト削減法【③外構編】

こんにちは、ハウジング山一です。

家づくりの予算と聞くと、多くの方は「建物本体」「土地代」に意識を集中されます。しかし、見落とされがちなのが「外構工事費用」です。
庭や駐車場、フェンス、植栽といった外構工事は、住まいの快適性とデザイン性を保つために欠かせない工事ですが、当初の想定より大幅にコストオーバーしてしまうケースが少なくありません。
その理由は、住宅会社が建物のコストを優先するあまり、外構費を低めに見積もってしまうからです。結果的に後から予算が膨らみ、計画全体を圧迫してしまうのです。
今回は「外構工事で失敗しないための2つの方法」を解説します。

●外構工事はなぜ予算オーバーになりやすいのか

外構工事は、建物本体の引き渡しが近づいてから具体的に検討されることが多く、「とりあえず最低限で…」と考えていた計画が、最終的には目隠しや植栽、駐車スペースの舗装などを追加することで費用がかさみます
住宅会社が提示する最初の見積もりで外構費用が少なく設定されているのは、建物に予算を割きやすくするため。しかし住み始めてから「外から丸見え」「駐車スペースが使いにくい」といった不満を解消するためには結局、追加工事が必要になります。こうして「外構で予算オーバー」という事態が起こるのです。

●解決策その1:外構予算をしっかり確保する

最もわかりやすい方法は「最初から外構予算を多めに見積もる」ことです。
建物と外構を合わせて2900万円の計画がある場合、建物に2800万円、外構に100万円とするのでは不十分です。外構費を300万円程度確保し、建物には2600万円を割り当てる方が現実的です。 オーソドックスな住宅では、周囲の視線を遮るためのフェンスや植栽は必須。ウッドデッキを造れば目隠しが必要になり、防犯やプライバシーを守るための柵や塀も必要です。これらを後回しにしてしまうと、結果的に追加費用が増える一方です。
これらの理由から「建物に投資して外構は最低限」という発想は、長期的に見て失敗につながりやすいのです。

●解決策その2:外構工事が最小限で済む家を建てる

もう一つの発想は「外構にお金がかからない家を建てる」ことです。具体的には、中庭を中心とした設計にすることで外構工事を最小限にとどめられます
例えば、家の中央に中庭を設ければ、そこから採光が得られるため外周に大きな窓を設ける必要がありません。結果的にプライバシー性が高まり、庭やデッキを囲う目隠しが不要になります。さらに外壁そのものが塀の役割を果たすため、防犯対策としての柵や高い塀も不要に。 外構に頼らず建物の設計で解決することにより、敷地を広くとる必要がなくなり、外構工事の総面積も縮小。土地代や維持費の削減にもつながります。

●外構費を圧縮する中庭型住宅のメリット

「中庭のある家」は外構費用を大幅に減らせるだけでなく、デザイン性・居住性の両面で魅力的です。外部からの視線を気にせずデッキや庭を楽しめるため、子どもの安心した遊び場や大人の憩いの場となります。バーベキューや家庭菜園もプライバシーを守りながら存分に楽しめます。
また、外壁に余分な窓を設けずに済むため外観がシンプルで美しくなり、意匠的にも優れた住宅デザインが可能になります。つまり「建築設計の工夫が、そのまま外構コストの削減につながる」わけです。

●予算シミュレーションの比較例

総予算2900万円で計画している場合
オーソドックスな家:建物2800万円+外構100万円では不足
実際には200〜300万円かかり、結果的に予算オーバー
中庭型の家:建物2800万円+外構100万円で十分

つまり、設計段階で「外構ありきのコスト」を意識するかどうかで数百万円単位の違いが生じるのです。

外構工事は家づくりの中で見落としがちな費用ですが、実際には総予算を大きく左右します。建物に予算を取りすぎると、追加工事で予算オーバーになるのが典型的な失敗例です。対策は「外構費をしっかり確保する」「外構工事がほぼ不要な家を建てる」かの二択。
特に中庭型住宅は、デザイン性・快適性・コスト削減をすべて両立できる賢い選択肢です。土地・建物・外構を総合的に考えた設計こそが、後悔しない家づくりにつながります。

コラム一覧へ戻る

Contact お問い合わせ

いつでもお気軽にお問い合わせください。