コラム

家づくりにおける正しい価格判断の仕方

こんにちは、ハウジング山一です。

家づくりを検討している方にとって、もっとも気になるポイントのひとつが「価格」ではないでしょうか。SNSや住宅雑誌などを見ていると、無数の情報にあふれているため、何を基準にすればいいのか迷ってしまう方も多いと思います。

今日は「坪単価」と「総額」の整理をしながら価格が適正かを判断するための考え方、予算オーバーを防ぐためのポイントをお話しします。

●坪単価よりも総額に注目すべき理由

まず「坪単価」についてですが、これは建築費を延床面積で割った金額のことを指します。一見するとシンプルで比較しやすいように思えますが、実際には注意が必要です。

坪単価は家が小さくなるほど高くなり、逆に家が大きくなるほど安くなる傾向があります。なぜかというと、キッチンや浴室といった水回りはどうしてもコストがかかる部分であり、これらは延床面積の大小にかかわらず必要だからです。面積が小さい家ほど水回りの割合が高くなるため、結果的に坪単価が割高に見えてしまいます。

一方で、建築費の総額で考えると話は逆になります。家が大きくなれば工事面積も増えるため、その分材料や人件費が増え、総額は高くなります。つまり、坪単価が安く見えても、家自体が大きくなれば総工費は上がるということなのです。

このため、家づくりの予算を考える際は「坪単価」ではなく「建築費の総額」を基準に判断することが大切です。

●価格の“落とし穴”に注意する

実は「総額」を基準に考える際にも、知っておくべき落とし穴があります。表面上の金額だけを見て安心してしまうと、最終的に数百万円単位のズレが生じることがあるのです。よくある例をいくつか挙げてみましょう。

・消費税が含まれていない場合

仮に「2500万円で建てられます」と提示されたとしても、それが税抜き価格だったらどうでしょう。消費税10%を加えると実際は2750万円になります。この時点で250万円の予算差が発生してしまいます。

・「本体工事」以外が入っていない場合

建築費には「本体工事費」に加えて「付帯工事費」があります。「付帯工事費」には、確認申請費や照明・カーテン代、屋外の給排水工事、太陽光発電などがあり、「本体工事費」とは別途必要な費用のです。これらを合わせると300〜400万円前後になることも珍しくありません。

提示金額2500万円に含まれていないとなれば、最終的には2800〜2900万円になるということです。

こうした要素を加味せず「予算内で建てられる!」と判断してしまうと、結果的に全体の資金計画が大きく狂ってしまうことも!

●賢い価格の聞き方

では、どうすれば価格の誤解を防げるのでしょうか。ポイントはシンプルです。

建築を依頼したいと思った会社に価格を聞くときは、漠然と「いくらで建ちますか?」ではなく、次の項目をポイントにして確認してください。

・その金額には消費税が含まれているか

・本体工事だけでなく付帯工事まで含まれているか

このポイントを押さえるだけで、数字が大きくブレることを防げます。

●予算アップは慎重に

SNSで情報収集をしたり住宅展示場を見学していると、「せっかくならあの設備も」「デザインにこだわりたい」と理想が膨らみ、予算が上がりがちです。しかし、だからといって安易に予算を引き上げてしまうのは危険です。

なぜなら、住宅の予算とは単に「家にかけるお金」ではなく、その後の暮らし全体に直結するものだからです。予算を大きく超えた家を建ててしまえば、その分、日常生活や趣味、将来の教育費、老後の資金などに影響が出てしまいます。夢の住まいを手に入れたはずなのに、生活に余裕がなくなってしまっては本末転倒です。

だからこそ、まずは資金計画を立てましょう。ローン返済や生活費とのバランスを踏まえたうえで「自分たちにとって無理のない上限額」を決め、その中でどう理想を実現していくかを考えるのが正しい順序です。

●理想と現実のギャップと向き合う

誰もが「理想の家」を思い描きます。しかし、現実の予算と理想が食い違うことは少なくありません。とはいえ、このギャップを無視して突き進むのはもっと危険です。

むしろ、その差を“どう埋めるか”が大切です。仕様を工夫する・面積を見直す・住み始めてからでも追加できる部分は一旦保留にするなど、施工を依頼する会社としっかり話し合うことで、無理のない範囲で理想に近づける方法は必ずあります。

家づくりにおける価格の判断基準は、「坪単価」ではなく「建築費の総額」で考えること。そして、見積もりに「消費税」や「付帯工事費」などが含まれているかを必ず確認すること。  こうした知識を持っていれば、予算に大きな誤差が生じることを避けられ、無理のない資金計画のなかで家を建てることができます。

ハウジング山一では、ただ家を建てるのではなく、お施主様が安心して暮らせる住まいを一緒につくることを大切にしています。ぜひ価格について正しい知識を身につけ、理想と現実のバランスを保ちながら、笑顔で暮らせる住まいを一緒に実現していきましょう。

コラム一覧へ戻る

Contact お問い合わせ

いつでもお気軽にお問い合わせください。