コラム

ミニマムコストで収納を充実させる家づくり

こんにちは、ハウジング山一です。

家づくりのお打ち合わせでよくお聞きする「収納をたくさんつくりたい」というご要望。しかし、収納を増やす=床面積を増やすということになり、比例して建築コストも上がってしまうのが悩ましいところです。

現在の建築コストから考えると、約2帖(=1坪)分の収納を増やすだけで70〜80万円ほど費用が上がります。 そう聞くと、気軽に収納を増やすという判断が難しくなってしまいますよね。とはいえ、現代の暮らしでは収納不足に悩むご家庭が非常に多いのも事実です。

今回は、家を建てるなら「いつもすっきり片付けられる収納をしっかり備えて快適に暮らしたい」と考える方に向けて、 “コストを上げずに収納力をアップさせる方法”をお伝えします。

ポイントは2つで、1つ目は「平屋にすること」(難しい場合は1階にする)、2つ目は「壁面を有効活用すること」です。 どちらも費用を抑えながら収納問題を解決できる、実践的な方法です。

●平屋または子供部屋を1階に 

まずは平屋のメリットから見ていきましょう。 平屋の場合、すべての部屋と収納が1階にまとまるため、上下の移動がなく、物の出し入れがとてもスムーズになります。本当は自分の部屋に持っていくべき物が、面倒だからとリビングやダイニングに置きっぱなし…ということも減ります。

特に小さなお子様がいるご家庭では、リビングやキッチン周辺に子供の荷物が集まりがちです。 まだ階段の上り下りが難しいお子さまの場合、2階の部屋に片付けるのは現実的ではありません。結果、リビングがいつも散らかってしまうという光景、心当たりのある方も多いのではないでしょうか。

また、洋服に関しても同様です。

2階の子ども部屋にクローゼットを用意しても、自分の部屋を使うようになる年齢まではその収納が活かされにくく、 着るものが階段やリビングまわりに置かれたままというケースも少なくありません。

このような理由から、ハウジング山一では理想の戸建ては「平屋」だと考えています。

ただし、平屋の実現が難しい場合は「子ども部屋だけでも1階に設ける」ことをおすすめしています。

子ども部屋が1階にあれば、その収納を無駄なく活用でき、自然と家全体の荷物が整理されやすくなるのです。

●「平屋=建築コストが高い」は誤解です

しかし「平屋にすると建築コストが上がるのでは?」と感じる方も多いでしょう。でも実際は、設計の工夫次第で2階建てと同等、もしくはそれ以下の費用で建てられるケースもあります。

その理由は、階段や廊下といった“屋内を移動するためだけの空間”を極力減らせるからです。 

さらに、1階にすべての部屋と収納が集まるため、余分なスペースや重複する部屋を省けます。 こうした工夫を重ねることで、平屋でもコストを抑えた建築が十分に可能です。

●床の面積ではなく、壁の面積で収納を考える

もうひとつのポイント「壁面の活用」についてはどうでしょう。

多くの方は収納を増やすとき、床面積を広げようと考えます。しかし、実は壁を増やす方がはるかに効率的なのです。なぜなら、壁は窓を減らすことで自然と増やせるからです。

窓の数を減らせばコストも下がり、さらにカーテンやレールといった付属品も不要になります。 つまり、収納力を上げながら建築費も抑えられるという、うれしい好循環が生まれます。

ただし、そのためには窓を少なくしても光がしっかり届く間取り設計が必要です。

私達は採光方法を工夫し、最小限の窓でも明るさが確保できるように計画することを得意としています。そのため「カーテンのいらない明るい家」をご提案することがとても多いです。光を導く窓計画を行えば、窓を減らしても暮らしは暗くなりません。

結果として壁面が増え、そこを収納や可動棚、造作家具として有効活用できるのです。

コストを抑えて快適に暮らしたいけれど、収納は増やしたいから費用が心配…という方こそ、 「平屋+壁面活用」という考え方を取り入れてみてください。必要以上に床面積を増やすことなく、シンプルな構造やコンパクトな家事動線が実現します。そして、生活空間のすっきり感と快適さが格段に上がります。

収納は“面積”ではなく“工夫”で生み出すもの。

ミニマムコストで、無駄のない賢い住まいを。

そんな家づくりを、これからもお施主様と一緒に考えていければと思います。

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